みなさん、こんにちは。暮らし提案の専門家、積水ハウス フェローの河﨑由美子です。5月晴れの空が広がる気持ちのよいシーズンになりましたね。みなさんは日々の暮らしの中で季節を感じていますか。慌ただしい毎日だからこそ、なにげない日常を丁寧に楽しみたいものですね。
さて、今回取り上げるのはペットとの暮らし。大切な家族そのものであるペットは、私たちに多くの幸せや喜びを与えてくれます。一方で、困りごとや心配ごとがあるのも事実。今回は積水ハウスがペットとの暮らしの調査や研究、実践で得たノウハウをご紹介します。
ペットとの暮らしでは”留守にできない”ことなど、飼い主には飼い主としての思いや悩みもいっぱい
わが家のワンコやニャンコが心地よさそうに過ごしている姿を眺めるのは、飼い主にとって至福の時間。とても癒されますよね。でも、一緒に暮らす上で困りごとや心配 が多いのも事実です。
ペットとの暮らしで気になることの調査では「留守にできない」が63.6%と1位になりました。外出する際に、ペットが安全に過ごせるか、寂しくならないかなど、気になりますよね。ワンコのお留守番時間では、「5時間以上、10時間未満」が41.8%と最も多く、「10時間以上」も13%という結果に。長時間お留守番しているペットが多いことがわかりました。
ペットにはペットなりの住まいの要望がある!
「散歩が大変」「お金がかかる」といった管理面での悩みもありますが、住まいに関わる問題も少なくありません。「臭い」「抜け毛」「汚れ」「内装や家具の傷」などは、住まいの工夫で解決することができます。
●床・壁に着目して、ペットも人もストレス解消
臭い、抜け毛、汚れ、傷といった悩みごとの多くは、床・壁の仕上げ材の選び方によってもずいぶん緩和されます。特にワンコやニャンコが走り回る床は、汚れや傷に強く、お掃除しやすい仕上げにすることで飼い主のストレスは大きく軽減されます。ただし、清掃性に優れたフローリング床などは硬くて滑りやすく、それが室内飼いワンコの関節トラブルの原因になっていると言われています。そのため適度なクッション性のあるカーペットがおすすめです。
壁の仕上げ材は、ニャンコの爪とぎ対策やペットの身体がすれる部分の汚れ対策がポイントです。傷つきにくい表面硬度の高い壁紙や、水拭きや洗剤でメンテナンスしやすい壁紙を選ぶようにしましょう。
●ちゃんと考えておきたい、お留守番の心地よさ
飼い主さんの気がかりのトップは「留守にできない」ですが、ペットたちにとっても“お留守番”はストレスになりがちです。特にワンコは群れでの行動を習性とするので苦手なのですが、家庭の状況によって”独りぼっちでのお留守番“は思いのほかに多いようです。
そんなワンコが少しでも心地よくお留守番するためには、まず落ち着ける居どころの確保が大切。安心して“おこもり”できる囲われ感のある場所を用意しておくのがおすすめです。
そして環境面で配慮しておきたいのが、温度と湿度です。ワンコもニャンコも様々な種類があって、暑さや寒さに弱いペットも増えています。実際にお留守番中にエアコンをつけっぱなしという人も多く、そんな場合はペットのいる部屋を限定しておくことで家中のエアコンONというのも避けられます。
また、ワンコもニャンコも音にとても敏感なので、屋外の騒がしさが届きにくい場所を考え、インターフォンや電話の音も外出時には調整するなどの工夫をしておきたいものです。たとえば窓際が落ち着く場所なら、二重サッシなどで外気温の影響で騒音を軽減するのも一案です。
●普段だけじゃない。万一の時の備えも肝心
一緒に暮らす毎日の心地よさはもちろん大切ですが、大きな自然災害が発生したら、ペットも人と同じように危険に遭遇することになります。
普段から家族の一員として被災の備えを考えておきましょう。
ここではワンコの場合について、お伝えしましょう。
ワンコのための非常用グッズ
- 食べなれたドッグフード・飲料水を用意
- トイレ用シート・タオル
- 服用している薬
いずれも1週間程度ストックしましょう。
ワンコが避難所で適応するためのポイント
- しつけをしっかり
むやみに吠えない、“待て”“伏せ”などの基本的なしつけを徹底。 - 預けられる場所の確保
避難所での犬の受け入れが可能か自治体に確認しておき、飼い主だけが避難所生活になった時に預けられる知人宅やペットホテルなどを調べておく。
犬の所有者となったら、飼い始めた日もしくは生後90日を経過した日から30日以内に居住者の市町村へ登録の届出を行わなければなりません。
また、年1回狂犬病の予防注射を受けること、犬の鑑札と注射済票を飼い犬に装着することなどが義務付けられています。
ペットとの暮らしは、多くの喜びをもたらしてくれます。彼らたちから受け取る幸せを、ペットにも与えられるようにと考えて暮らしたいものですね。
数字から考える幸せわが家
幸せのかたちは、家族やライフスタイルの多様な変化に合わせて変わっていくもの。ほんの少しの知恵や工夫で、わが家がもっと好きになる。積水ハウスの住生活研究所から“住めば住むほど幸せ住まい”研究に基づく、暮らしのヒントやエッセンスをご紹介していきます。研究データや意識調査、リアルな実例をもとに「ちょっとやってみようかな」と思ってもらえるコラムを更新しています。
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